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中国とアメリカはどのような関係になるのか――特に地方政府交流に関して

 2026年5月14日に習近平・国家主席と、トランプ・アメリカ大統領が北京で米中首脳会談を行ったことは日本でも大きく報道されました。そして、この会談により「米中間の建設的かつ戦略的で安定した関係(中美建設性戦略穏定関係)」という言葉が生まれました。

そして、「『米中間の建設的かつ戦略的で安定した関係」の構築は、最も重要な政治的合意である(構建“中美建設性戦略穏定関係”是最重要政治共識)」(『人民日報』2026年5月16日付1面掲載)によれば、「両首脳が達した合意を実行に移すには、両国のあらゆる部門の共同努力が必要で、今回の会談は、両国の立法機関、地方政府、企業、学術界、メディア、その他の分野間の交流を力強く促進するものである」と指摘しています。

 立法機関とはすなわち国会であり、議会であり、中国にとっては全人代です。これからアメリカと中国の議員は密な交流をするのでしょうか。逆に習近平・国家主席がこのように述べたのは、中国の全人代との交流を密にすることにより、台湾にこれ以上アメリカの議員が交流を理由に渡航しないようにしておきたかったようにも見えます。

 そして、さらに地方政府の交流も謳っている点がポイントです。地方政府の交流を国家が促進するということがある意味奇異と言えるものでもあるためです。つまり、外交は中央政府の行政権の専管事項であり、地方政府が関与できない事項であると考えられているからです(注1)。もちろん、姉妹都市協定など地方政府同士で交流することは現実には多くあるものの、それは外交の理論上疑義があるということです。それにもかかわらず、「地方政府」の交流を促進するとしています。

 この点をどう解釈するかは、今後、中国とアメリカで大きな争いになる可能性を秘めています。つまり、中国としては地方政府を含めてアメリカと全面的に協力関係を構築するという意図で地方政府の交流促進を謳ったものの、アメリカとしては「地方交流」という建前で台湾との交流もできるようになるという形式を得たためです。もっともそれであっても、あくまで地方政府「間」の交流であるため、台湾とアメリカの「中央政府」の交流は除かれることになります。

 いずれにしても、今後の米中関係がどのように変化するのか(議員交流が増えるのか)を注視したいところです。

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中国型近代化の鍵

当協会研究員の高橋孝治が、『日中建築住宅業協議会メールマガジン』(335号)に寄稿しました。以下、日中建築住宅業協議会メールマガジン編集部の許可を得た上で、当該寄稿を転載いたします。なお、禁転載となります。


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中国の消費財・自動車下取り政策

当協会研究員の高橋孝治が、『日中建築住宅業協議会メールマガジン』(334号)に寄稿しました。以下、日中建築住宅業協議会メールマガジン編集部の許可を得た上で、当該寄稿を転載いたします。なお、禁転載となります。


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2026年全人代と法

当協会研究員の高橋孝治が、『日中建築住宅業協議会メールマガジン』(333号)に寄稿しました。以下、日中建築住宅業協議会メールマガジン編集部の許可を得た上で、当該寄稿を転載いたします。なお、禁転載となります。


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通話傍受アプリ開発と中国法

 台湾の日本語ニュースサイト「フォーカス台湾中央社日本語版」が2026年5月8日17時37分に「中国の地図アプリAMap、通話内容を中国に送信 国家安全局がリスク指摘/台湾」というニュースを配信しました(注1)。これによれば、台湾当局が「中国製の地図アプリ『AMap』(高徳地図)について、通話内容の中国への送信など複数の情報セキュリティー上の問題を確認したと明らかにした。同アプリを巡っては、数位発展部(デジタル発展省)が先月23日、国家の情報通信の安全に危害を及ぼす恐れがあるとして、政府機関での利用を禁止すると発表していた」と報じています。この問題を巡り、法的に見るとどのような問題があるのか考えてみましょう。

 問題となっている地図アプリを開発したのは中国のようなので、この問題を法的に見るとなると、開発者はこのようなアプリを開発してよいのか、また個人情報を本人の許可なく勝手に収集できるようにしてよいのかという問題を開発地である中国の法で見ることになります。

 第一に、開発者はこのようなアプリを開発してよいのか、という問題については、中国の科学技術進歩法(1993年7月2日主席令第4号公布、同年10月1日施行。2021年12月24日主席令第103号公布で最終改正、翌年1月1日改正法施行)が関連するものと思われます。科学技術進歩法第3条第1項は「科学技術の進歩は、世界の科学技術の最先端、経済を主とする戦場、国の主要なニーズ、そして人々の健康と福祉のために、経済社会の発展を促進し、国家の安全保障を守り、人類の持続可能な発展を推進するものでなければならない」と規定しており、さらに。第5条は「国家は、開発と安全保障を連携させ、科学技術安全保障ガバナンスの能力を強化し、科学技術安全保障リスクの予防と軽減のための制度的メカニズムを改善し、科学技術の研究、開発、応用活動の安全保障管理を強化し、国家安全保障分野における科学技術革新を支援し、国家安全保障を支える科学技術革新の能力とレベルを向上させるものとする」と規定しています。

 中国にとって、台湾当局の通話内容を収集できるということは、台湾当局内部の情報を知ることができるということでもあり、明らかに中国にとっての対台湾の安全保障にとって有利になるということでもあります。そして、見ての通り、科学技術進歩法では、国家の安全保障を守ることは科学技術の進歩の目的でもあるし、奨励されているものでもあるということです。そうすると、中国では科学技術進歩法の下、このようなアプリを開発することは認めるどころか求められているものということになります。

 第二に、このようなアプリで情報収集することと個人情報保護の問題があります。これについては、個人情報保護法[個人信息保護法](2021年8月20日主席令第91号公布、同年11月1日施行)第13条が「個人情報処理者は、以下のいずれかの場合に限り、個人情報を処理することができるものとする。……(3)法令上の義務を履行するために必要な場合。……」と規定し、さらに国家安全法(2015年7月1日主席令第29号公布・施行)第11条第1項が「中華人民共和国のすべての国民、すべての国家機関及び軍隊、すべての政党及び人民組織、企業、公共機関及びその他の社会組織は、国家安全保障を守る責任及び義務を有する」としており、つまり中国人には中国の国家安全義務が法律上定められており、この義務を果たすためなら個人情報保護法上も、本人の同意なく個人情報を収集することも赦されるということになります。

 結果として、中国が地図アプリを経由して、台湾当局の通話内容を送信するようなアプリを開発することは、中国法上も許されるということになります。

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「民族団結進歩促進法」審議


当協会研究員の高橋孝治が、『日中建築住宅業協議会メールマガジン』(332号)に寄稿しました。以下、日中建築住宅業協議会メールマガジン編集部の許可を得た上で、当該寄稿を転載いたします。なお、禁転載となります。


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中国の労働法制はどこに向かうのか

『人民法院報』2026年5月1日付5面に「『労働と資本の双方に利益を』:革命拠点地域における労働法原則(“労資両利”:革命根据地的労働法原則)」という記事が掲載されました。

 この記事の出だしは、以下のような表現で始まります。「革命根拠地における労働立法は、マルクス主義労働理論と中国革命の具体的な現実を融合させた中国共産党の実践的成果であり、新民主革命における法治国家建設を主導した。この立法実践は、土地革命、抗日戦争、そして解放戦争という三つの主要な歴史的段階にまたがり、当初はソ連モデルを模倣し、労働と資本の対立を強調していたものが、中国の国情に基づき、最終的には『労働と資本の双方に利益を』という地域固有の原則を確立するに至った。これは、新民主革命の勝利に対する確固たる制度的保障を提供するだけでなく、新中国における労働法治国家建設の礎を築いたのである」。

 ここに書いてある通り、革命根拠地とは、中華民国時代に、中国共産党が武力を用いて中華民国政府(中国国民党政府)を追い出して、中国共産党による独自の統治が行われた地域のことです。革命根拠地には、中国共産党による独自の法が既に存在しており、現在の中国法の基礎はこの頃できていたと言われています。

 5月1日と言えば、「メーデー」であり、社会主義国家である中国にとっては、労働者のためのお祭りのような日です。そんな日に、新聞が中国共産党による労働法の歴史を特集するということは当たり前と言えば、当たり前です。しかし、それであっても「革命根拠地の労働立法の現代的価値」という表現で、当時の労働法理論が今なお中国で有用であるかのような書き方をしている点は少々異様とも言えます。

特に「労働と資本の双方に利益を」という理論を非常に強調して書かれています。中国は社会主義国家として、中国共産党という労働者と農民の利益を代表する党が統治を行っている以上、労働者搾取は起こらず、労働法は労働者の権利を守るものではなく、労働者と雇用主の利益を調整するためのものという位置づけとなっています。このような理論が、革命根拠地時代からの中国にとってあるべき労働立法であると繰り返し強調されているのです。

これからの中国の労働法は、労働者保護ではなく、かつての中国法の理論に戻り、労働者と雇用主双方の利益を調整するものとするような、いわば時代を逆行する改正がなされる可能性があると言えるでしょう。

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【事例研究】中国で、直接の雇用関係がなくても労災給付が認められた事例

当協会研究員の高橋孝治が、『日中建築住宅業協議会メールマガジン』(331号)に寄稿しました。以下、日中建築住宅業協議会メールマガジン編集部の許可を得た上で、当該寄稿を転載いたします。なお、禁転載となります。



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中国で労働者に関する新しい意見が発表

 2026年4月26日に、中国共産党中央弁公庁と国務院弁公庁は、共同して「新雇用者に対するサービスと管理の強化に関する意見(関于加強新就業群体服務管理的意見)」という意見を発表しました。

 この意見は、雇用されたばかりの者の正当な権利と利益を法律に基づいて保護すべきであると指摘し、インターネットプラットフォーム企業、宅配便企業などの事業者に対し、雇用管理システムを改善し、業界特性に適応し、雇用契約や労働者との書面による合意の活用を促進し、雇用の実態に基づいて権利義務を合法的かつ合理的に定めるよう求めています。

 逆に言えば、昨今の中国でインターネット上に存在していて、実態不明な企業や、宅配便を運ぶだけで実態として個人で請負業に従事しているかのような労働者が問題になっており、これに対応したものと言えます。

 まだ「意見」の段階ですが、中国も新たな形式の雇用に対して規制を入れようとしている状況が読み取れます。

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