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中国における台湾への法適用を巡る問題 ――泉州公安局の犯罪容疑者懸賞通告を見る

※本稿において、[ ]は直前の単語の中国語の原文を意味し、初出にのみ付した。


 中華人民共和国(以下「中国」といいます)福建省泉州市の公安局が、2025年11月13日に犯罪容疑者に関する懸賞通告を発表しました。懸賞通告とは、重大な犯罪容疑者の行方が分からないなどの際に、広く一般人から情報提供を求め、有益な情報がもたらされた場合には、一定金額の報奨金を出すというものです。今回の懸賞通告は、容疑者の逮捕に貢献を求めるものなので、事実上の「指名手配」と言えるでしょう。

 中国における懸賞通告の法的根拠は、「公安機関の刑事案件の処理規定[公安機関弁理刑事案件程序規定]」(1998年5月14日公安部発布・施行(公安部令第35号)、2012年12月13日公安部発布で最終改正、翌年1月1日改正法施行(公安部令第127号))第270条~第272条です。これらの条文は以下のように規定されています。

 

第270条 重大な犯罪の手がかりを発見し、事件に関連する財産や証拠を追徴し、犯罪容疑者を検挙するために必要な場合、県級以上の公安機関の責任者の承認を得て、懸賞通告を発布することができる。

懸賞通告には、懸賞対象の基本情報と懸賞金の具体的な金額を明記しなければならない。


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石川 幸一
石川 幸一
26 日前 · さんがグループに参加しました。
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中国で「生態環境観測条例」公布

※本稿において、[ ]は直前の単語の中国語の原文を意味し、初出にのみ付した。


 中華人民共和国(以下「中国」といいます)では、国務院(日本でいう「内閣」に相当)が「生態環境観測条例[生態環境監測条例]」を2025年10月31日に発布し、2026年1月1日から施行する予定ということです(国令第820号)。

 この生態環境観測条例は、生態環境モニタリング活動を規範化して、生態環境モニタリング能力と水準を向上させ、生態環境モニタリングデータの品質を保証した上で、生態文明と美しい中国の建設を支え、経済社会の高品質な発展に奉仕する上で生態環境モニタリングが果たす重要な役割をより良く発揮させるために制定されたとされています。

 要するに、ひと昔前の中国は、環境汚染大国として有名だったものの(注1)、その後、中国の環境問題は劇的に改善したとされており(注2)、今度はさらに生態環境モニタリングに法的根拠を与えようということです。かつての環境汚染がひどかった中国では、賄賂などをもらった上で環境問題がもみ消されてきたことなどが指摘されています(注3)。

 しかし、生態環境測定条例第41条は公共モニタリングのデータに虚偽記載をした場合、法により処分とすると規定されています。つまり、少なくとも、法律上生態環境モニタリングの成果につき虚偽記載をすることができなくなります。しかも、単なる環境モニタリングではなく、「生態環境」モニタリングであり、モニタリングした場所の単なる環境ではなく、自然の生き物などにどのような影響があるかにつきモニタリングがされるわけで、その基準もかなり明確なものと言えます。

 これから中国の環境統計や環境問題にはどのような影響があるのか、中国の環境問題は環境ビジネスとしても、また社会問題としても大きな注目を集めています。

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中国は観光産業に力を入れる?

高橋 孝治           

(環太平洋アジア交流協会 研究員/

立教大学 アジア地域研究所 特任研究員)


■(第60回)中国は観光産業に力を入れる?

10月1日は中華人民共和国の建国記念日で、連休になります。これに関して「人民日報』2025年10月5日付1面に「双節連休から見る中国経済の新たな光と機会(従双節假期看中国経済新亮点新机遇)」という記事が掲載されました。これによれば、10月1日から4日までの中国国内の移動者はのべ12億5千万人で、前年比5.7%増となったそうです。この人数増からか、習近平・総書記は「文化と観光の融合には広大な展望があり、 文化観光産業の高品質な発展を推進し、真の支柱産業、民生の産業、幸福な産業として確立すべきだ」と述べたといいます。


10月1日前後の連休は、中国では実家への帰省や旅行で人が大きく動くのは半ば常識なものの、前年比5.1%増は習近平にとってもよほど大きかったものと思われます。この習近平の言葉が本気なら、中国はこれから観光産業に力を入れるということになります。しかし、どうなんでしょうか。日本でも、観光産業に力を入れるとしていますが、オーパーツーリズムが問題化しているし、そもそも観光産業に力を入れるのは、途上国の証という指摘まであります(景色しか売る産業がないという意味)。 AI技術などに発展著しい中国が観光産業にも力を入れるということには疑義がありますが、少なくとも、習近平はこのように発言しているのです。

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