「中国のような国にルールを書かせない」これはオバマ大統領がTPPについての発言である。中国をけん制する戦略的意図を持っていたTPPから米国が離脱し中国が加入を申請した。中国はバイデン政権がTPPに復帰する意思がないことを見定め、台湾よりも早く加入申請を行った。中国の加入にはいくつかの高いハードルがある。最も高いのは政府が国有企業を優遇することを禁止する「国有企業についてのルール」だ。TPPでは例外が認められている。へトナムやマレーシアは国有企業のルールの例外が認められている。中国も例外を求めるであろう。新規加入は加盟国の全会一致の承認が必要だ。そのために中国は交渉で加盟国に対しアメ(中国市場の魅力など)とムチ(圧力)を使う可能性がある。国有企業のルールは自由な市場、公平な競争を謳うTPPの根幹的なルールであり、日本をはじめ加盟国は妥協をすべきではない。
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ご指摘の通りと思います。交渉相手は増えますので交渉はより大変になりますが、加入の基準(CPTPPの高いレベルの自由化とルールを順守する)そのものは変わりません。
加盟国が増えれば、増えた国地域だけ承認が必要になる。つまり交渉相手が増えて、ハードルが高くなるのではないでしょうか。
中国、台湾、韓国と加盟申請が続きますね。後から申請するのはハードルが高いのですかね。後出しジャンケンみたいに、有利なのかな?
用語を整理します。CPTPPとはアメリカが離脱し、再開したFTAを指し、TPP11とも言いますよね。CEPという用語が出てきましたが、これは何を指すのでしょうか?
中国のCPTPP加入申請については、日本では「中国は加入できないし、加入させるべきでない」という意見が多い。加入の可否については、高いハードルがあり極めて難しい。ただし、全く不可能かどうかはわからない。国有企業のほか電子商取引、労働、知的所有、政府調達などがハードルとなっている。中国はCEPや欧州中国包括的投資協定でハードルのいくつかはクリアしている。また、例外や経過措置という制度があるからだ。交渉がどうなるかによるが、いずれにせよ長く困難な交渉になるだろう。CPTPPの高いレベルの自由化とルールを中国はすべて承諾するというCPTPPの参加条件の順守を求めることを日本や豪州、メキシコなどは求めているからだ。CPTPPの加入は全会一致なので1か国でも承認しないと参加できない。
2001年以降、世界のグローバル化で最も大きな恩恵を受けているのが中国でしょう。逆にアメリカはその影響を克服できない階層があり、二極化しています。アメリカのTPP加盟には復帰を阻む社会が背景にあると思います。
しかし、世界は待ってくれないほど変化のスピードが増しています。RCEPはいい例でアジアの経済的勃興により、世界の勢力図が数年で塗り変わる気がします。東南アジアはむしろ中国迎合論さえ聞こえてきており、政治イデオロギーより、経済の恩恵を期待しているのかもしれません。
近代に入ってからグローバル化は何度か波がありました。そこにいつも中国の存在があった。長くなるのでここまでにし、国有企業についてだけにしましょう。中国では15年ほど前「国進民退」という言葉がありました。国有企業が市場に参入し、民営企業が撤退するということ。過去のグローバル化の波では、このような国有企業の問題がなかったように思います。