経済統合は自由化を進めることでありグローバル化である。今問題になっているのはグローバル化をどこまで進めるかである。グローバル化が行き過ぎであるという指摘は多い。世界的に著名な経済学者であるロドリックは、超グローバル化、民主主義、国民国家の3つを同時に成り立たせることはできず、3つの中から2つを選ばなければならないと論じている。これが「世界経済の政治的トリレンマ説」である。たとえば、超グローバル化と国民国家が両立するのは民主主義でない場合であり、中国が該当する。
ロドリックは国民国家と民主主義は不可欠と考えている。したがって、問題は超グローバル化となる。ロドリックの説はグローバル化を否定していない。重要なのはどのレベルまでグローバル化を許容するか、つまり「賢明なグローバル化とは何か」である。主権を委譲したEU型のグローバル化は、EUでも行き過ぎという指摘があり、様々な問題に直面している。賢明なグローバル化は、主権を維持しながら多様性と経済格差の中で時間をかけて段階的に統合を進める「アジアの経済統合」あるいは「アジアのグローバル化」である。そしてそのモデルはASEANの経済統合であり、それを発展させたRCEP(地域的な包括的経済連携)である。
世界経済政治のトリレンマ、でてきましたねぇ!アジアは超グローバル化、国民国家をとるしかないし、現実的ですね。