2026年全人代の中国刑事訴訟への改革案
2026年3月5日から11日まで中華人民共和国(以下「中国」といいます)では、全国人民代表大会(日本でいう「通常国会」)が開催されました。これを受けて、『人民法院報』2026年3月9日付5面に「刑事事件の訴訟提起チャネルの合理化と虚偽訴訟への的確な対策[暢通刑事立案渠道 精準打撃虚假訴訟]」という記事が掲載になりました。これによれば、全国人民代表大会および中国人民政治協商会議で、「近年、民間融資、不動産取引、離婚財産分与などの分野で虚偽訴訟犯罪が横行し、社会からの信用を深刻に損ない、司法権威に損害を与えている」と指摘しています。さらに、「現状、公安機関における虚偽訴訟の立件率は低く、一部の犯罪者が処罰されず、被害者が救済を求める手段を失っている。これは『人民中心』という発展理念に反するだけでなく、法治の基盤を揺るがすものだ」とも続けています。
これに対し、刑事事件の立件方法を簡素化し、犯罪を的確に取り締まるよう提案したとのことです。すなわち、最高人民検察院は公安部と共同で、虚偽訴訟の立件基準に関する詳細な実施規則を公布し、立件条件、証拠要件、期限を明確にし、各レベルの公安機関において、虚偽訴訟立件のための「グリーンチャネル」を開設すべきとのことです。
いずれにしても、この提案が実行されれば、中国の刑事訴訟はよりスピーディになるなど大きな改革になるものと思われます。しかし、「社会の安定」を重要視する中国で、このような司法に対する社会からの信頼を大きく損なうような問題が生じていたことは大きなことです。だからこそ、素早い対策が提案されたとも言えます
