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中国の労働法制はどこに向かうのか

『人民法院報』2026年5月1日付5面に「『労働と資本の双方に利益を』:革命拠点地域における労働法原則(“労資両利”:革命根据地的労働法原則)」という記事が掲載されました。

 この記事の出だしは、以下のような表現で始まります。「革命根拠地における労働立法は、マルクス主義労働理論と中国革命の具体的な現実を融合させた中国共産党の実践的成果であり、新民主革命における法治国家建設を主導した。この立法実践は、土地革命、抗日戦争、そして解放戦争という三つの主要な歴史的段階にまたがり、当初はソ連モデルを模倣し、労働と資本の対立を強調していたものが、中国の国情に基づき、最終的には『労働と資本の双方に利益を』という地域固有の原則を確立するに至った。これは、新民主革命の勝利に対する確固たる制度的保障を提供するだけでなく、新中国における労働法治国家建設の礎を築いたのである」。

 ここに書いてある通り、革命根拠地とは、中華民国時代に、中国共産党が武力を用いて中華民国政府(中国国民党政府)を追い出して、中国共産党による独自の統治が行われた地域のことです。革命根拠地には、中国共産党による独自の法が既に存在しており、現在の中国法の基礎はこの頃できていたと言われています。

 5月1日と言えば、「メーデー」であり、社会主義国家である中国にとっては、労働者のためのお祭りのような日です。そんな日に、新聞が中国共産党による労働法の歴史を特集するということは当たり前と言えば、当たり前です。しかし、それであっても「革命根拠地の労働立法の現代的価値」という表現で、当時の労働法理論が今なお中国で有用であるかのような書き方をしている点は少々異様とも言えます。

特に「労働と資本の双方に利益を」という理論を非常に強調して書かれています。中国は社会主義国家として、中国共産党という労働者と農民の利益を代表する党が統治を行っている以上、労働者搾取は起こらず、労働法は労働者の権利を守るものではなく、労働者と雇用主の利益を調整するためのものという位置づけとなっています。このような理論が、革命根拠地時代からの中国にとってあるべき労働立法であると繰り返し強調されているのです。

これからの中国の労働法は、労働者保護ではなく、かつての中国法の理論に戻り、労働者と雇用主双方の利益を調整するものとするような、いわば時代を逆行する改正がなされる可能性があると言えるでしょう。

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