米国大統領選挙は大接戦となっており、どちらが当選するのか予測は困難であるが、バイデンが当選してもトランプが当選しても中国に対する厳しい貿易投資規制が続くのは間違いない。トランプは中国製品への60%関税賦課を主張しているし、バイデンは追加関税を継続し半導体など先端技術を対象とする貿易投資規制を強化拡大している。
米中対立が激化拡大しているが、中国は米国のアジアで2位の投資先であり、中国進出米国企業は1956社を数え、アジアで第1位、世界でも第4位だ。米国の投資残高は同盟国日本の1.6倍、進出企業数は同じく2.6倍である。米国企業は中国市場の成長性を高く評価している一方で米中関係の緊張の高まりが最大の懸念となっている。米国企業が米国政府の期待しているのは、攻撃的な言語使用や報復的な行動の自制である。昨年12月には1年ぶりに首脳会談が行われ、協力可能分野での連携やハイレベルでの協議の継続などが合意されたが、対中政策は国内政治問題でもあり、大統領選挙もからんで米国企業の期待が実現するのは難しそうだ。