この書を読み終えた。6月6日に深沢氏を招いて、「破綻国家に陥るのか ミャンマー危機の行方」をテーマにシンポジウムを開催したが、読了が間に合わず本番を迎えてしまった。しかし、その余韻のまま残りのページをめくってよかった。
全421ページの大作である。ミャンマーの民主化をとりあげた書は多々あるが、断片的に著しているものが多く、私にはまだ疑問に残っていた。しかし、本書がその疑問を解決してくれ、この国が辿ってきた運命を悟った。
「ミャンマーの人たちは、覚悟を決めていたのではないだろうか。最悪の日々がまた戻ってくることを」
本書のおわりの書き出しが語られているとおり、この国が完全国家になるには遠い道のりなのだろう。民主化からクーデターまで、きちんと事実もって記録されており、現代のミャンマー通史といっても過言ではない。
権力に立ち向かう勇気ある人々に称賛したい!
(読後の感想は追って掲載)
アウン・サン・スーチーさんから反政府ゲリラまで現場取材を重ねてきた著者のミヤンマー論の中間報告であり、大変参考になった。抜群の行動力と分析力を活かし、さらにミャンマー・ウオッチと分析を期待している。