日本はASEANで有識者にどうみられているのだろうか。ASEAN有識者調査2024によると、日本のイメージは中国と正反対であり、経済的影響力はないが信頼度が高いというものである。日本が最も経済的影響力があるとの回答は3.7%と中国の59.5%とは比較にならない。一方、日本を信頼するという回答は58.9%で最も多い。2019年の調査開始以来、日本は最も信頼度が高い国である。日本を信頼する理由は、①国際法を順守する責任あるステークホールダー(36.5%)、②グローバルリーダーシップを担う経済的リソースと政治的意思27.7%)、③日本文化への尊敬である(21.1%)。日本に対する高い信頼度は日本の重要な資産である。日本に対する信頼度が最も高い国はフィリピン(82.3%)であり、信頼度が50%を切るのはラオスとミャンマーである。中国の影響力が強いカンボジアは日本への信頼度が61.9%と中国(31.9%)を超えている。
日本は、住んでみたい国・働きたい国ではASEAN(22.4%)に次いで2位(17.1%)であり、米国や豪州を超える。中国は4.8%である。休日に訪問したい国としては、日本は1位(30.4%)と最も高い。ASEANが第2位(16.2%)、韓国が3位(10.3%)である。優秀な外国人の確保やインバウンド観光を進める好材料であり、活用すべきである。残念なのは、自由貿易を推進のリーダーシップをとる国はどこかという質問では、日本は9.2%と中国の14.8%を下回っている。CPTPP合意に主導権をとり、RCEPの合意に向けて積極的に協力したことが理解されておらず、RCEPをいち早く批准しCPTPP加入申請を行った中国が自由貿易推進というイメージ形成に成功したようだ。
おもてなしの国、ジパング!
アジアのリーダーを目指さなくても、成熟した社会、本来の人間らしい生き方ができればいいと思います。