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中国における裁判結果の理論と珠海レストラン爆発事件案例の検討

 中国でも数多く裁判が行われています。しかし、これらの裁判結果は、全てが公表されているわけでなく、また「後の法解釈に影響を与えない」とされている点で大きな特徴となっています。これは、すなわち、類似する事例が複数あったとしても、全ての裁判結果で同じ判断がなされるとは限らないという意味です。そのため、中国の裁判結果は、法解釈の判断例としての「判例」ではなく、その事案における判断例として「案例」があります。

 中国の法実務上の問題は、「どのような判断がなされるのかはあらかじめ予測がつかない」ということにあります。そこで、中国は「指導性案例」と呼ばれる案例を整備しています。指導性案例とは、様々な案例の中から他の事件でも参考にすべき判断がなされているとして最高人民法院(日本の「最高裁判所」に相当)が認め、指定されたものをいいます。このように最高人民法院が公布した指導性案例は、各人民法院が類似する案件に対して判断する場合には必ず参考にしなければならないとされており、ある程度の裁判結果の方向性を示していると言えます。

 しかし、指導性案例も結局は「類似する案件に対して判断する場合には必ず参考にしなければならない」程度のものであり、「類似する案件に対して必ず同様の判断をしなければならない」わけではありません。このため、今後、案例が後の法解釈を拘束していくのかについては注視する必要があります。

 この中でも特に中国で指導性案例的な扱いを受けているものの、企業の損害賠償問題について、大きな議論を呼んだ事件を検証していきましょう。中国で2001年に出された案例では、その後指導性案例として取り上げられた珠海レストラン爆発事件と呼ばれる事件があり……




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<執筆者紹介>

高橋孝治(たかはし こうじ)/環太平洋アジア交流協会研究員・立教大学アジア地域研究所特任研究員

中国政法大学博士課程修了(法学博士)。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)。中国法に関する研究や執筆、講演の傍ら、複数の法律事務所や団体にて中国法顧問を務める。著書に『ビジネスマンのための中国労働法』(労働調査会、2015年)。『中国年鑑2019』(共著、明石書店、2019年)ほか多数。「月曜から夜ふかし」(2015年10月26日放送分)では中国商標法についてコメントした。「高橋孝治の中国法教室」を『時事速報(中華版)』(時事通信社)にて連載中。

環太平洋アジア交流協会・海外リーガルサポートでは、日本企業の皆さまに有用なアジアビジネス法に関するセミナーや個別のコンサルティングなども行っています。お気軽にお問合せください。


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