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中国における新型コロナウイルスに対する労働関係の通達「新型コロナウイルス感染による肺炎予防期間の労働関係をうまく処理する問題に関する通知」の和訳

最終更新: 4月7日

  新型コロナウイルスによる肺炎が世界で蔓延する中で、休業をする企業などが多く出ています。新型コロナウイルスの発生源である中国では休業時の労働者の賃金などはどうなのでしょう。  中国の給与支払い暫定規定(中国語原文は「工資支付暫行規定」)第12条には、「労働者が原因ではない賃金の一支払期間内の職場の操業停止、生産停止の際に、雇用先は労働契約に規定された標準に従い労働者に賃金を支払わなければならない。賃金の一支払期間を超えた場合は、労働者が正常な労働を提供できた場合は、当地の最低賃金の標準を下回ってはならず、労働者が正常な労働を提供できない場合は国家の関連規定により処理する」と規定されています。  中国は労働者を主人公とする社会主義国家であるため(中国憲法第42条第3項)、労働者に対する保障は手厚くなっています。日本などでは、賃金とは、労働に対する対価と考えられています。しかし、中国の場合はこれとは異なり、社会の安定や労働関係の良好な発展のために支払うものという側面があります。すなわち、失業者や貧困層が発生することを防止するということであり、いわば社会保障の一部を企業からの「賃金」という形式でまかなっているのです。  このため、例え労働を提供していなくても、一賃金支払期間内の休業であれば、労働者に支払われる賃金は休業がなかった場合と変わらないことになります。しかし、一賃金支払期間を超える休業が発生した場合には、企業の支払能力も考え、最低賃金分の賃金を支払えばいいとしています。  そして、2020年1月24日に、新型コロナウイルスの対応するため労働に関する通知が人力資源社会保障部弁公庁から発布されました。この通知は「新型コロナウイルス感染による肺炎予防期間の労働関係をうまく処理する問題に関する通知(中国語原文は「関于妥善処理新型冠状病毒感染的肺炎疫情防控期間労働関係問題的通知」)」といいます(人社庁明電[2020]5号。以下「当該通知」という)。 当該通知では、新型コロナウイルスに感染している肺炎患者、感染の疑いのある者、隔離治療期間もしくは医学観察期間に密接な接触をした者、政府により隔離措置もしくはその他の緊急措置が取られており、正常な労働を企業に提供できなかった労働者に対しては……

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【資料】

新型コロナウイルス感染による肺炎予防期間の労働関係を うまく処理する問題に関する通知*³(日本語訳)

人社庁明電[2020]5号


各省、自治区、直轄市および新疆生産建設兵団人力資源社会保障庁(局)へ

新型コロナウイルス感染による肺炎を防止し、感染予防期間の労働関係に関する問題をうまく処理し、労働者の合法的権益を保護し、企業の正常な生産経営秩序を保障し、労働関係の和諧平穏を促進するため、関連する問題に関して以下のように通知する。

一、新型コロナウイルスに感染している肺炎患者、感染の疑いのある者、隔離治療期間もしくは医学観察期間に密接な接触をした者および政府により隔離措置もしくはその他の緊急措置が取られており、正常な労働を企業に提供できなかった労働者には、企業はその期間労働者が労働をした場合に支払う報酬を支払わなければならず、合わせて労働契約法第40条、第41条により……


*³ 中国語原文は「関于妥善処理新型冠状病毒感染的肺炎疫情防控期間労働関係問題的通知」


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<執筆者紹介>

高橋孝治(たかはし こうじ)/環太平洋アジア交流協会研究員・立教大学アジア地域研究所特任研究員

中国政法大学博士課程修了(法学博士)。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)。中国法に関する研究や執筆、講演の傍ら、複数の法律事務所や団体にて中国法顧問を務める。著書に『ビジネスマンのための中国労働法』(労働調査会、2015年)。『中国年鑑2019』(共著、明石書店、2019年)ほか多数。「月曜から夜ふかし」(2015年10月26日放送分)では中国商標法についてコメントした。「高橋孝治の中国法教室」を『時事速報(中華版)』(時事通信社)にて連載中。


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